日常的に四人のネタ混ざります
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去年6月の小話の跡部兄たまバージョンです。
ひとつだけ --------------- ようちえんの かえり あとべ と しんじ と すーぱーに いったぜ! 「ひとつだけ好きなモン買っていいぞ。選んで来い」 「「……」」 深司くんとアキラくんは仲良く手を繋いで、跡部を見上げます。 「どうした?」 「ひとつ…ですか…前に…千石さんが…」 「跡部と来たらふたつ選んでいいってゆった!!」 「あのヤロウ…だめだ、教育上良くねぇ、ひとつだけ選べ、ひとつだぞ」 ふたりはがっかりしましたが、仕方ありません。 菓子売場へ向かいました。 手を繋いでぼんやり立ったままの深司くんの隣で、 アキラくんは、何種類もあるおまけ付きの箱を目をキラキラさせ選んでいました。 買い物を終えた跡部が菓子売場に来て、子供たちに声をかけます。 アキラくんはまだ迷っているようですが、深司くんは手ぶらで選ぶ様子もありません。 「おい伊武。オマエ選んだのか?」 「あっちの売場で選ぶ」 「じゃあとっとと持って来い」 言うと、深司くんは手を繋いだままのアキラくんも連れて行きそうになったので 1人で行けるだろ、と言って手を離させました。 通い慣れたスーパーです、大丈夫でしょう。 まだ迷っているアキラくんの隣にしゃがんで、真剣に悩む顔を覗き込むと 「うーん、うーん、……やっぱりこっちにするぜ!」 小さな手で突き出したのはチロルチョコでした。 「…これでいいのか」 「おう♪」 「…こっちの食玩じゃなくていいのか」 「だってチロルうまいしよぅ、ひとつだけだしよぅ」 念を押してひとつと言った手前、深司くんがひとつを取りに行っている手前、 何かもうひとつ選べとも言えずに複雑な跡部なのでした。 チロルがひとつ、買い物カゴに入れられました。 アキラくんはとても満足そう。 満足なら仕方ないか、とアキラくんの手をとって レジへ向かおうと立ち上がると、深司くんが戻ってきました。 両腕を掲げて持っているのは、 ふたりの背丈ほどもある特大姿するめ10枚入りでした。 「あ…馬鹿だねアキラ……またチロル選んでる……」 「深司こそソレでいいのかよぅ!チロルうまいのに!」 アキラくんは良い子です。 パン パン 手袋をしていない俺の手はいい音をたてた。 俺の隣で手袋のアトベが 同じように俯くのを視界の端に捕らえる。 「テニスがうまくなりますよーに!」 「なんだ、神頼みかよ」 境内を戻りながら、アトベは白い息を吐いて笑った。 「練習はいっぱいするから、プラスアルファだぜ」 「まあ頑張れ」 跡部と打ち合うと、楽しいけれど、少し落ち込む。 俺だったら絶対とれない場所に打ち込んだ球も 跡部は普通にとる。 悔しいぜ。 俺だってレギュラーなんだ。 来年はもっと強くなってる自信がある。 いろんな強いヤツとも試合したぜ。 だけど、跡部のテニスは いっぱい練習すれば 追いつくなんて思える強さじゃない。 知ってるぜ 努力しても叶わねぇ事だってあるって。 おまえと打つと、思い知る。 帰り道、熱い手に手をとられた。 いつの間に手袋とったんだ跡部。 「跡部よぅ、お参りする時に手袋取れよ」 「るせぇ」 きれいな手だけど、ラケットを握るから手のひらはゴツゴツしてる。 俺より大きい手。 この手に負けねぇって心で唱えて 握り返した。 思い知るけど、負けねぇ。 俺は絶対、絶対、跡部に負けねぇ。 --------- 氷の柱を降らすのは無理って話。 |
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