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日常的に四人のネタ混ざります
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[待ち合わせ]

千石さんは、意外に時間にきっちりしてる。
待ち合わせに遅れた事なんかなくって、
俺のほうがよく待たせてしまうくらい。
学校や部活は適当にしてるみたいなのに。

…ああそうか
時間にルーズでも、あの人は俺を待たせたりしないだけ。

けど、いま俺は待っている。
駅の前。
見上げるビルの壁、大きなデジタル時計は
ちょうど、約束の時間を示したところ。

待つ事は滅多になかった。
俺が約束の時間に少しくらい前後して来ても、
千石さんはいつも先に来ていたから。

1分過ぎて、2分過ぎて。

携帯には何の連絡もない。
…たまには、こういう事もあるよ。
まだたった数分。
内村や神尾がもっと長く遅刻して待たされた事は幾度となくあるのに
なんだろう、
この…気持ちの、違い。


このまま千石さんが来なかったら
俺はいつまで待つんだろう。

千石さんが来なかったら
どうなってしまうんだろう。

そう考えると、恐ろしくなる。
たかが、5分
あの人が来ないだけ。


「伊武くん!」
雑踏の中、大きな呼び声。

息をきらし走ってくる千石さんは
急いでる様子がありありと見て取れた。

駆け寄ってくる姿にホッとする反面で、

こう考える。

いつかは
どれだけ待っても
来ない日が

いつまでもいつまでも
ただこの人を待つ時が


「遅れてごめん!ほんっとーにごめんっ!!」
「5分ですけど」
「うん、連絡してるより全力疾走の方が早く着くと思った…ごめん!」
「だからたった5分です」
「え?…やっぱ怒ってる?」

不安そうに、俺の顔色を伺う千石さん。
…違います。
俺は怒ってなんかいない。
不機嫌な顔、
してるだろう理由は
怒ってるからじゃない。

たかが、5分で
悲しいほどに苦しいほどに
思い知ったからです

好きだ、って。




I love you better than anything in the world.
あなたは 俺にとって 何よりも 誰よりも 大切なひとだ。

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