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ワンシーンパラレルそのいち

CAST

王城塞都市氷帝継承位1位第一皇子
アトベ
山吹四家貴族センゴク家嫡子
センゴク
不動峰村牛乳配達員/裏家業・闇の嗎団補佐
カミオ
不動峰村粉屋水車小屋管理人/裏家業・闇の嗎団補佐
シンジ
不動峰村首長/裏家業・闇の嗎団首長/ナインロード2神の片割れ
タチバナ


余所者が氷帝の城壁を超えるには、旅人の門で名前、出身地、目的を登録しなければなりません。
アトベはセンゴクの腰に軽く膝蹴りを見舞いながら計画を言い渡します。
「俺様が喋れば言葉で氷帝の王族とバレちまう。お前が全部説明するんだ、いいな」
「はいはい、キミが山吹のセンゴクで、俺がその従者ね。こんなでっち上げ、バレないかなァ」

そんな二人からそう離れていない所に、特徴的な黒い装束の同じ背格好の二人組がたたずんで相談を初めていました。
「やっと着いたぜ!でっかい街だなあ♪目的って、あれだよな?アトベに会うこと?」
「馬鹿じゃないの?入る前に追い出されたいの?俺が登録するからカミオはここに居ろよ…」

門兵は、その旅人の「訪れた目的」の項目を見て顔をしかめました。
「きみきみ、何だねこの「漬け物探し」というのは。ふざけているのか?」
「は?何言ってるの…?うまい漬け物っていうのは所変われば味変わるどころか…家庭の数だけあるもので…」
「ええい喧嘩腰とはふとどき極まる振る舞いよ、たたきだせ!」
「おいシンジ、全然だめじゃんかよぅ!」
「埒があかない。責任者だせよ…漬け物のどこが」
「わー、騒ぎでかくすんなよぅ!」


センゴクは記帳しながら、となりで起こったその騒ぎをおもしろがっていたけれど、
黒いフードの下にサラリとした黒髪、白皙の美しい顔を見て助け舟を出す事に決めた。
「ちょっと、きみらのぶんも俺が申請するから後ろに居ろって言っただろー」
アトベは眉を跳ね上げ、検閲官はため息をつく。
「なんだ、連れか?」
「すみませ〜ん、主人のレコなんですけどちょっと言葉が通じにくくてェ〜」
へら、と笑顔をうかべて袖の下を渡すと
すんなり城壁の内側へ行く事が出来たのだった。


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