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日常的に四人のネタ混ざります
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神尾からの手紙





アトベ樣には読めませんでした






深司たんには「絵が上手だね」と言われました

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まったり家出中跡部様
--------

「…跡部さん…いつまで居る気ですか…」

「あ? あー……」
狭いキッチンでネギを切っていた跡部は、気が乗らない曖昧な返事をした。
隣で、神尾が鍋をみながら
「いいじゃんか深司〜!食い物ならたくさんあるんだしよう。貰いもんばっかだけどさ♪」
「神尾がいいならいいけど…」
そういう伊武は、ぼんやり雑誌を読んで夕飯が出て来るのを待つだけだった。
伊武はどうでもよさそうに首を傾げて、コンロで鍋がぐらぐらするより小さくつぶやく。
「でも跡部さん…ビジネスチャンス狙ってたんじゃなかったっけ…?」

「親父さんと仲直りするまで居ていいぜ、あとべ!」
神尾の笑顔が眩しい。
跡部はすっかり、跡部家を背負う忙しかった毎日の、休養感覚で過ごしていた。
庶民の神尾とちまちました庶民の暮らしを踏襲するのも気に入った。

慌ただしい日々に慣れすぎていた今までの自分の多忙さを振り返る余裕。
放り出して来た諸々が気にならないわけではないが、
こうして神尾とのんびり生活するのも悪く無い。

「あっ♪そういえば…」
跡部の顔を見ていた神尾が、思い出して伊武を振り向く。

「深司!桜井も捨て猫拾ったらしいぜ!」
「へえ…」



   ……「も」 ?


跡部は少しひっかかったが、
自分には関係のない話題だと思いながら手を洗った。
何度も手を洗った。

生まれて始めて、ネギ臭い手に閉口する跡部様だった。






その時
跡部様と同じように鼻をひくつかせていた隣人は呟く。
「なーんか頻繁に、隣からトンコツラーメンの匂いがする。いいなあ。」

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まだまだ家出中跡部様
--------
跡部様はイライラしていた。全身を襲う不快感。トレーニング中でも無いのに、滲む汗。

暑いのだ。

「おい。てめえら…… 暑くねーのかよ!」

「怒鳴ると余計暑いだろ…」
「跡部、まだ29度だぜ」
「もう29度だろうが!」
神尾に借りた安っぽいTシャツを汗で湿らせた跡部様はダイニングにいる伊武と神尾を見おろした。
2人はなんと、ぱんつ1枚で床に寝そべって漫画雑誌を読んでいる。跡部には信じられない行儀の悪さ。
そりゃ…床は涼しいかもしれない。暑いから脱ぐのかもしれない。
しかし。
ボロアパートとはいえ、エアコン完備。
「エアコンがあるだろうが!」

「「エアコンは30度から」」2人の声がハモった。
エアコン完備とはいえ、ボロアパート。
備えられた古いエアコンは、伊武と神尾が暑さに耐えるに値する程
豪快に電気を消費するのだ。
「ちっ…、ここまで貧乏だとは思わなかったぜ…」
「エコです。」
「跡部も転がれよう。涼しいぜ♪」
「断る!」
「しかたねえなあ。」
神尾が立ち上がって冷蔵庫に向かう。その行動に、伊武がハッと顔を上げた。
「神尾、まさか…跡部さんに…」
「いいだろ、深司も食おうぜ!」

主語の抜けた会話が繋がる2人にも苛つく跡部様だったが
神尾が暑さも忘れるほどの満面の笑顔だったので怒鳴るのをグッと耐えた。

「ホラ跡部、食えよ!スッゲーうまいぜ!」
「跡部さんにはもったいないよ…ここらじゃレアなんだからな…ありがたく食べなよね…」
神尾から渡されたのは、棒アイスの袋だった。
跡部様にとっては棒つきアイスが既にレアだった。
アイスと言うのは、食事の最後、皿に美しく盛られて出て来るデザートだ。
しかしこれは
「ミルククック…?」
「「いただきまーす」」
2人はアイスを食べ始めた。
「つっめてー♪んめーっ♪みるくっく〜♪」
「シャク…シャク……みるくっくうまい…」
「……。」
何しろ暑かったし、神尾が親切に差し出してくれたものだ。跡部はミルクックの袋を開けた。

「………。」
「跡部!うまいだろ♪」
「…ああ」

神尾の隣、座り込んだ床も、ひんやりと心地よい。ミルクックは予想外に美味しかった。
しかし跡部様はこの氷菓が遠い南の国から橘さんがクール便で差し入れてくれた物だとは知らない。

床に座り込みアイスを食す3人。
窓からはセミの声と、

隣の部屋の室外機がフル稼働している音が聞こえた。






「さーて、ダッツでも食うか〜☆」

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続・失踪跡部様

跡部様はまだ学生ですが
父の仕事を見ていて、父以上に理解したと自負しています。
まとまった資金さえあれば、何とでも稼ぐ方法があるのです。
しかし資金調達の段階で親にバレてしまっては意味がありません。

あの父親のことです。息子名義の証券会社の口座は
どこも全て見張られていると思った方が良いでしょう。
所有していた数多の株も動かせません。

ともかくネット環境が欲しい所です。

しかし神尾はPCを持っていません。
伊武も所持していません。
大学生生活を送るためだけでも用途に応じて5機は欲しい所、それが全くないなんて。
「チッ。この貧乏人が」
「跡部さん今…所持金0円じゃありませんでしたっけ…」
「跡部、学校のパソコン使うか?」


その時
アパートの薄い壁は、隣の部屋の物音を明確に響かせました。

『ジャーン』
…重く響く起動音。

「この安アパートにもデスクトップPC持ってるヤツが居るってのによ!」
「…食費も払えない居候が偉そうに…安アパートだって…笑えるー…」
「なっ…てめぇっ…」

「しんじ〜あとべ〜、ラーメンできたぞ〜♪」


伊武のボヤキに対抗していては、
せっかくの神尾の手料理が伸びてしまう。
決して伊武に言い負かされたわけじゃねえ!

…しかし…庶民の食い物も悪くねえな…

跡部は、そうやって三人で食べるラーメンが
橘さんが箱買いして送ってくれた、うまかっちゃんだとは知らない。





「よーし接続オッケー↑!お隣さんに引越の挨拶に行かないとな〜☆」

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