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日常的に四人のネタ混ざります
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4

ぼんやりする跡部を指さし、千石は笑う。
「『かみお!かみお〜!』って、言ってたって神尾クンに教えてあげよう」
「るせぇよ」
何かとても疲れる夢を見ていた気がするが、
目の前でヘラヘラ笑う顔を見るともっと疲れを感じる。
千石は散らばるパンフレットを重ね、トントンと机で揃えた。
「で、どこに行く?スポンサーの跡部クンの希望は?」
「…あ?」
「まだ寝ぼけてるのかい、跡部くんともあろうものが」
せっかく揃えたばかりのパンフを、千石は再び机に投げ戻す。
ザッときれいな扇状に広がったのは旅行案内のパンフレットだった。
「夏休みに4人で遊びに行く先を決めるんデショ?」
「…そう…だったか?」
「ちょっと、しっかりしてよ跡部くんー」
「ああ…旅行先だったな」
そうだ、夏休みは祖母の別荘に滞在すると決まっているが
早めに帰国して神尾と過ごす計画を錬っていたのだ。
二人きりの予定が当然のように四人になっているのはいつもの事で、
不本意ではあるが神尾が喜ぶのだから仕方無い。
千石は、手品師が広げたトランプから一枚抜くような手つきで
青い海の写真が目立つ案内を取り上げる。
「これなんかどうだい?『南の海で人魚になろう!伊武君の声もハートも奪っちゃう王子様を満喫!』」
「そりゃラストが悲恋だろ」
「じゃあこれは?『妖精たちと過ごす豪華クルーズ、恋人とネバーランドへGO!GO!』」
「海賊船に襲われそうだな」
「だったら『東京縦断コスプレツアー☆おかえりなさいませキヨスミ様(はぁと)』」
「都内で済ませる気か」
千石は真剣な顔つきで代わるがわるパンフを手に唸っている。
「…つーか千石、何だそのタイトルは」
パンフレットには千石が読み上げたとおりのポップな文字が踊っていた。
「うーん…、あ、跡部クンこれはどうだい?
『古城で過ごす週末・いにしえの西欧へタイムスリップ!!白馬の王子様は、あの子にフォーリン☆ラブ!?』
千石が妖精の粉をふり撒くと、辺りはキラキラ輝きながら
パンフレットの写真と同じ西欧のなだらかな景色に変わっていく。

跡部は立ち上がり、天鵞絨の重いマントの裾をさばいた。
「なーんだ跡部クン王子様はカボパンと決まっているのに!」
絵に書いたような王子様風の出で立ちで、千石は白馬に跨がっている。
呆れて馬上を見ると、ヒラヒラと手をふる軽薄そうな王子は丘の向こうへ馬首を巡らせ
「待っててねいぶくーん!」
とエコーを効かせて駆けて行った。

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